備えあれば憂いなし

法律が定める親族とは


共に過ごした時間の長さというものは、時に血のつながりよりも濃いものを生み出すことがあるものです。
血縁関係がない家族、親子というのも不思議ではありません。
血が繋がっていなくても、幸福で敬意のある家庭を育んでいる人たちも多いことでしょう。
しかしこと相続という問題になると、法律で定められた親族の範囲というものが重要になってきます。

法律上はどこまでが親族だと述べられているのでしょうか。
こうしたことを前もって知識として持っておくならば、重要な局面で不必要な争いや問題を抱えないための良い準備となることでしょう。
まず堅い言葉で親族の定義を表現してみましょう。
日本の民法が述べる親族とは「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」のことです。

あまり普段使い慣れない言葉が並んでいますね。
まず「血族」とは何のことでしょうか。
それは読んで字のごとく、血のつながっている者との関係を指して用いられます。
「配偶者」はもちろん皆様おわかりでしょう。
一番聞きなれない姻族とは何のことでしょうか?
それは「配偶者の血族のことです。

例えば6親等の親族とはどのような関係の人を含むでしょうか?
再従兄弟姉妹(またいとこ)と呼ばれる人はあなたの6親等の親族になります。
では3親等の姻族とはどのような関係の人のことでしょうか。
配偶者の甥や姪がそれに当たります。
こう考えてみますと、普段あまり会うことのない人々、もしかすると一回も会ったことのない人でも、法律上はれっきとしたあなたの親族なのです。

普段こうした関係を一つ一つ名前を覚えながら確認するようなことはあまり無いことでしょう。
しかし一度親族間の問題や相続などが絡むと、法的な意味での親族がどこまでを指すのか。
自分にはそのような意味での親族が何人くらいいるのかをしっかりと把握する必要がありますね。
もちろん、専門家の助けを得ることもできますが、一度法律が定める範囲の自分の親族の名前を確認してみるのも良いかもしれませんね。