備えあれば憂いなし

後見人(法定代理人)について


子供が成人しないうちに父親が亡くなるということは珍しくありません。
残念ながらいつ何時そのような悲惨なことが起こるかはわからないのです。
そのような場合に未成年の子供もれっきとした法定相続人とみなされます。
では相続に関する煩雑な手続きを未成年の子供に行わせるのでしょうか?
それともその子供の親が相続に関するすべてのことを独断で決めてしまうようなことがあるでしょうか。

まず遺産の配分を考える遺産分割容疑は「法律行為」に含まれることを覚えておきましょう。
そして、通常未成年の子供は自分一人でそのような法律行為を行なうことはできません。
そのためその子供のために法定代理人が立てられることになるわけです。
後見人という言葉のほうが聞きなれている方もいらっしゃるかもしれませんね。

いずれにしましてもその代理人が未成年の子供を助け、代わりに協議を行っていきます。
なぜ親がその立場を兼務できないのでしょうか?
もし法定相続人の一人である母親が子供たちの代理人も務めるとすれば、遺産配分協議の全権を母親が握ることになり、自分の利益だけを求めて決定を下すかもしれません。

それでこうしたケースでは親権者以外の人間が代理人を努めます。
さらにその代理人の選定も、母親の一存で決められるものではないのです。
この場合ですと、母親が家庭裁判所に代理人の選任を依頼し、最終的に裁判所が法定代理人を決めます。
ちなみに法定相続人の中に未成年者が二人いるならば、法定代理人も二人必要になります。

未成年者一人につき一人の代理人が必要というわけです。
こうして考えてみると、これだけ細かな決まりが制定されていることからも、相続に関する問題が非常に複雑化しており、利害が大きく関係する事柄だけに非常に慎重に物事を進める必要があることがわかります。
では未成年者でも関係なく法定相続人になれること。
親ではなく裁判所が選任した法定代理人が必要であることを覚えておくことにいたしましょう。