備えあれば憂いなし

相続争いの実態とは


テレビの世界や映画の中では、「相続争い」というのが、事件の原因として扱われたりすることがあります。
またドラマさながらの壮絶な相続争いのニュースを見聞きすることもあります。
自分がそんな中に巻き込まれたらたまったものじゃないと思う方も多いと思います。
しかし実際そうした相続争いが人ごとではないという方もたくさんいらっしゃるでしょう。
将来、しかも近い将来そうした問題と対峙しなくてはならない方たちも現実におられるはずです。
実際のところ世の中での相続争いの実態とはどのようなものでしょうか。

興味本位で覗くのは不謹慎な世界ですが、現実問題知っておく必要もあります。
まず理解しておきたいのは、日本において、相続の問題が持ち上がった時、親族間で平和に話し合い、納得して財産の分割を行えるケースのほうが多いということです。
全体的な割合からすれば多くの場合、それほどもめることもなく進んでいくようですね。
しかし同時に近年、個人の権利が執拗に叫ばれる時代ですので、財産相続に関してお互いが自己の権利を激しく主張し合い、まさに「争い」と呼べるレベルに発展することは間違いなく増えていると言わざるをえません。
大小すべての争いのケースを把握することなど出来るはずはありませんので、このように相続争いに発展する状況がどれほどあるのか正確な数字を知ることはできません。

年間の相続発生件数の10%ほど、つまり10件に1件はこのような争いになっていると予想する人もいます。
中には当然遺産分割事件として家庭裁判所に持ち込まれるものも多く、親族同士の激しい闘いになった場合は、当然ですが事態が収まった後も親族関係や兄弟関係に大きなしこりを残すものとなることも少なくないようです。
また家庭裁判所で調停不成立に終わることも多いことを考えると、ドラマの中で展開されるような「相続争い」は、現実にはドラマ以上になることも覚悟しておかなければならないようです。
そのような状況を避けるためにも、常日頃から親族や兄弟と良い関係を保ち、将来の相続に関してよく話し合うようにしておきたいものですね。